苗を少なく植えて多収穫を目指す
田植えは坪当たり37株で植え付けています。
坪70株で植えている農家に比べると苗は約半分です。じゃあ、収穫も半分だろうとお思いでしょうが、実は反対で多収穫が可能です。
そんなバカなと思われる方、次の計算をどう思われますか?
米一俵(60kg)は何粒か?
ネットで調べましたところ、 (^^;
2,666,666粒になるそうな。
1本の穂につく米粒は100粒として1俵収穫に必要な穂の数は100で割ると
26,667本(A)。
1株の穂数は30本。何株で1俵になるかというと、
A÷30=24坪
これだと一反何俵採れるか。
1反は300坪だから、
300坪÷24坪=12.5(俵)
となると思うのですがいかがでしょう?
実際わが家で12俵採れた事があり、コンスタントに収穫できなかった原因を調べましたところ、施肥量が都度まちまちであった事が原因ではないかと考えています。
稲の生長を定点観察します。
7月11日
分けつが前回撮影時の2倍で21本になりました。
目印も隠れて見えなくなりそうです。
手前のくぼみは溝切りの跡です。これがあると水を切るのも早くできるし、水を入れたとき回りが早いです。
刈り取りまで稲の活力も保たれます。
7月5日
穂の出る39日前となりました。
葉っぱは11枚目が小さく出始めたところ。分けつは10本です。
全体的な葉色もアップしてきました。
7月1日
田植えから43日目となりました。最初の穂が出る35日前となります。
選んだ場所が生長やや遅れ目かな。への字特有の株が開いた状態になりました。
開くのは茎が太く育っている証拠。密植慣行栽培ではズンドウな稲姿になります。
というわけで井原豊先生の言われたゴリラのガッツポーズ稲の姿に近づいてまいりましたが・・・。
葉っぱは10枚目、分けつは7本目。30本の分けつを取りたいんだけど、ちょっと忙しい。(^^;
↓
葉色は慣行栽培より濃くなってきました。カラースケールで5~6ぐらいかな。
への字を始めた最初の年はこんなに色濃くなる事に恐怖を覚えました。
いもち病が出るのではないか、倒伏するのではないかと・・・。
ここ数十年いもち病予防の農薬は使った事がありません。倒伏だってへっちゃら!
一度大きく倒してしまった事があったけど窒素量で11kg/反も肥料入れちゃいました。さすがに無理でしたね。収量は10俵/反採れたけれど散々ですね。
6月25日 田植えから37日目
小さいですが9枚目の葉が出てきました。分けつは4本になりました。
コシヒカリは16枚芽が出て出穂となるらしいが15枚止まりかな。
慣行栽培だとこれから穂肥を施肥するためにここで生長を止めるため、窒素切らし、中干し等を行うので13枚止まりになってしまうとか。
6月20日 田植えから32日目。
7枚目の葉が大きくなりました。アオミドロがかなり繁殖しています。
はびこると水温が上がらなくなり稲の生育が悪くなると言って農薬を撒いて駆除する人もいますが、我が家はほったらかしです。
有機栽培をする人はこれを利用して新しく生えてくる草を抑制させる事に利用する人もいるらしい。窒素同化作用も持っているから枯れれば自然な穂肥としても働くらしい。
6月15日 田植えから27日目。
7枚目の葉が出ていて、分けつは3本になりました。
4日前の日曜日、中間施肥を行いました。10葉目当たりで施肥するのが良いと思いますが、親戚からいただいた緩効性の配合肥料を使うため早めにしました。
反当たり窒素量は3.2kgです。10葉期にもう一度追肥する予定。
20日経過。葉っぱがもう一枚増えました。6枚目です。(6月10日)
水の深さは10~12センチくらい。ヒエ(雑草)を抑制するため深水にしてあります。
田植え2週間後。葉齢調査のため葉っぱに番号を振りました。↓
6枚目の葉が出ています。
への字稲作は最初の生長ををゆっくり見守る事がポイント。
周囲は葉が垂れるほど勢いが良いのをじっと見てガマン・・・。
田植えをして6日後の1本植えの稲です。↑
これから収穫までの経緯を記録します。
5月連休バルーンフェスティバル
農作業の忙しくなる時期ですが、5月連休には近くでバルーンフェスティバルが開催されます。期間は5月3日から5日まで。
夜間係留が行われるとこんな風な光景に!↓これは2~3年前の光景。
今年は風が強くてバーナーだけの競演に。
苗はこのぐらいに成長しました。
稲のプール育苗
保温マットで覆っていた種もみも1週間ほどすると発芽してきます。
1cm足らずのところではがして常温にさらします。
水を入れてプール育苗に入ります。
多くの農家は水やりをジョロとうで行い朝晩ビニールハウスの開閉をして
寒さに遭わせないようにします。一度寒さに遭わせると苗の生長が止まってしまうからです。
これが薄蒔きのプール育苗だと昼も夜も水をためておくだけで開閉の必要がなく、ムレ苗防除の農薬などは一切不要です。
農文協の書籍に紹介されている方法で私のように会社勤務の都合で開閉作業の出来ないものにとってはありがたい方法です。
天候が良すぎると苗が伸びすぎて悩む農家が結構多いのですが、その悩みはほぼないです。
かまぼこ型にもならず均一に育てられます。
手造り堆肥散布機
冬の間、暇を見つけて堆肥散布の小道具造りを試みました。
昨年、わらと交換して手に入った牛糞堆肥を手作業で撒いたらかなり重労働だったもので。
運搬車に木枠を取り付けて動くと堆肥が振動で振り落とされる事で散布出来ると考えました。
けれども実際に動かしてみると振動はさほどおきず、発進と停止の時にこぼれてくるだけでした。
これだけ隙間が空いているんですけど・・・。
というわけで今年も人力作業で散布しました。トホホ。(^^;
長野の小規模への字稲作
長野県佐久市で4反歩という小規模ですが、会社勤務の傍ら稲作りをしております。
父の死後、さほどに強い意志で稲作を引き継いだわけではありませんでしたが、
ふとした事から父の持っていた、「ここまで知らなきゃ損する痛快コシヒカリつくり」
という本を読み、衝撃を受けました。
一般の農家が行っている栽培方法はV字型稲作といわれる方法で、最初からたくさんの肥料を与え、グングン成長させるが夏の真っ盛りは成長を抑制する。穂の出る時期に
なったら再びドンと肥料を与えて多収穫を狙うというもの。
への字稲作は、これとは逆に最初は肥料を入れないか少なめ、穂の出る45日前という夏の真っ盛りに肥料をドンと与えて太く大きな稲に成長させるというものです。
生き物の自然の成長そのままというわけですね。
今年もへの字稲作にチャレンジします。
田植えも坪当たり37株の疎植植えなので除草剤以外の農薬を使いません。
使う必要がなくなったという方が正しいかも。
たびたび失敗して収量を落としてしまうので周囲では疎植にはしてもへの字栽培をする人は見かけません。
私がこの稲作りの流行らない原因を作っているのかも。(^^;
というわけでいろいろな失敗したときのデータを整理し直して再挑戦です。
今年の出来映えはどんな事になるのかワクワクします。
4月9日に塩水選を行いました。
浮かんだ種もみは捨てて沈んだものだけ使います。
これを始めてから稲こうじ病はなくなりました。
こうしておいてから浸種をします。
水の交換がいらないように金魚飼育用ポンプで空気を送り込みます。
4月20日籾引き上げ乾燥。
4月23日捲きこみしました。1箱当たり80gの薄蒔きです。昨年は90gで欠株の少ないのは良かったのですが、天候の良すぎた事もあってやや細めの苗でした。
葉っぱの出る数も3葉半ぐらいだったかな?
地元の指導では150g蒔きぐらいを推奨していたような・・・。
以前は覆いを反射式のシルバーシートを使っておりました。
最初の年は快適ですが繰り返し使っているうちに太陽の光を反射しなくなり、中の温度が上昇、発芽しない事があります。雑誌等で紹介されていますが使い方に注意が必要です。私はその原因がわかるまで数年がかかりひどい目に遭いました。
今は保温マットとラブシートのみを使用しています。